Japanese
Title薬物溶出性ステントであるエベロリムスステントとパクリタクセルステントの冠動脈疾患に対する比較試験(SPIRIT IV) Stone GW, Rizvi A, Newman W, et al: Everolimus-eluting versus Paclitaxel-eluting stents in coronary artery disease. N Engl J Med 2010; 362: 1663-74.
Subtitle文献紹介 II
Authors野々木宏
Authors(kana)
Organization国立循環器病研究センター, 編集部
Journal循環制御
Volume31
Number2
Page157-157
Year/Month2010/10
Article抄録
Publisher日本循環制御医学会
Abstract「要約」: エベロリムスステントはパクリタクセルステントに比べ, 1年後の一次エンドポイントが低率であり, 糖尿病を除いた病態別においても優れていた. 冠動脈造影による再狭窄の評価では, 既にエベロリムス(EES)がパクリタクセルステント(PES)に比べて優れていると報告されている. しかし, 臨床エンドポイントでの比較試験がなされていなかったため, 本試験では多施設(66施設)共同による3,687例を対象とした無作為比較試験が実施された. 1年間の一次エンドポイントとして心臓死と標的血管の心筋梗塞, 虚血が証明された標的血管の再血行再建が検討された. 「結果」: 一次エンドポイントは, EESで4.2%, PESで6.8%とPESで高率であった(p=0.001). 心筋梗塞発症はEESで1.9%, PESで3.1%(p=0.02), ステント血栓閉塞はEESで0.17%, PESで0.85%(p=0.004)であった. 全ての病態でEESが優れていたが, 糖尿病症例のみ一次エンドポイントに有意差が見られなかった. Kedhiらの報告と同様に, エベロリムスの結果が良好であった. 糖尿病に関しては今後の薬物溶出性ステントの課題であるといえる.
Practice基礎医学・関連科学
Keywords