Abstract | 「要約」: 公共の場所におけるAEDの設置台数が増加したことにより, 早期除細動が実施され社会復帰率の向上に寄与した. これまでに公共スペースに設置したAEDの効果は検証されていなかった. 日本で全国的に院外心停止が登録され, 3年間の院外心停止312,319例中, 心原性で目撃があり初期心電図が心室細動例は12,631例であった. このうち462人(3.7%)に対して公共スペースでAEDが適用された. 実施割合は経年的に1.2%から6.2%へ増加している. 社会復帰率は14.4%であり, AED適用例では31.6%であった. 早期除細動実施が社会復帰と関連があった. AEDの数が1km2あたり1個から4個へ増加すると除細動までの時間は3.7分から2.2分へ短縮し, 社会復帰率は2.4人から8.9人/年/1,000万人口へと増加した. 世界に類をみない全国における院外心停止例のウツタイン様式を用いた全例登録であり, 世界の注目をあびているデータベースである. 公共スペースに設置したAEDの効果を検証した初めての論文である. 設置数からみると適用率は3.7%と低いが今後適用率が増加することが期待される. |