Abstract | 「はじめに」近年, アルドステロンがその受容体であるミネラロコルチコイド受容体(MR)を介して昇圧作用に加え, 様々な臓器障害を誘発することが明らかとなり, 心血管系疾患におけるアルドステロンブロックの重要性が注目されている. エプレレノン(セララ(R))はアルドステロンとMRの結合を選択的に阻害して降圧効果を発揮する降圧薬であり, 優れた降圧効果に加えて, 既存の抗アルドステロン薬(スピロノラクトン)に伴う副作用も顕著に改善されている. 日本では高血圧症を適応症として2007年から使用されており, 日本人のエビデンスも蓄積されつつある. 本稿では, 主に臨床的効果についてエプレレノンの特徴を述べたい. 「エプレレノンの受容体選択性およびMR阻害活性に基づく臨床的特徴」ラットにおける評価では, MRに対する親和性に比較して, エプレレノンのグルココルチコイド受容体に対する親和性は1/20以下, アンドロゲンおよびプロゲステロンの各受容体に対する親和性は1/100以下であり, 性ホルモン受容体に対する相対親和性を1とすると, エプレレノンのMR選択性はスピロノラクトンの6.5倍以上である1). |