Japanese
Title研究倫理のフロンティア ヘルシンキ宣言の歴史と現在
Subtitle特集 未来に向けた循環制御研究への期待
Authors田代志門
Authors(kana)
Organization東京大学大学院医学系研究科医療倫理学分野
Journal循環制御
Volume31
Number3
Page177-181
Year/Month2010/12
Article報告
Publisher日本循環制御医学会
Abstract「はじめに」本稿の課題は, 世界医師会(WMA)のヘルシンキ宣言の変遷を題材に, 人を対象とする研究の倫理において, いま現在どのような課題が存在し, 今後どのような解決が求められているのかを明らかにすることである. ヘルシンキ宣言は, 現在国際的に最も影響力のある研究倫理ガイドラインであり, 日本国内においても, 様々な倫理ガイドラインにおいてその順守が謳われている. ただしその一方で, 実際の研究現場で, ヘルシンキ宣言が「生きた規範」となっているかどうかは疑わしい. どちらかといえば, 内容を精査することなく, 形式的にヘルシンキ宣言の遵守を謳う, というほうが実態に近いように思われる. くわえて, 日本においてはヘルシンキ宣言に言及される際に, その背景にある国際的論争や他のガイドラインとのダイナミックな関係が捨象され, 各条項の文言の解釈にのみ焦点が当たることが多い. しかし, 以下で見るように, ヘルシンキ宣言は時代の変化の中で改訂を重ねており, 現在でも, いくつかの条項は激しい国際的論争の中にある1).
Practice基礎医学・関連科学
Keywords

【全文PDF】