Japanese
Title文献紹介 「閉塞性睡眠時無呼吸 : 治療前後における脳構造の変化と神経認知機能」
Subtitle
Authors公文啓二
Authors(kana)
Organization近畿大学医学部奈良病院救命救急科
Journal循環制御
Volume31
Number3
Page217-217
Year/Month2010/12
Article抄録
Publisher日本循環制御医学会
Abstract「Canessa N, Castonovo V, Cappa SF, et al: Obstructive sleep apnea: brain structural changes and neurocognitive function before and after treatment. Am J Respir Crit Care Med 2010 Oct 29. [Epub ahead of print]」 <要約> OSAでは神経認知機能の障害と脳構造の異常があるが, 治療によって改善する. 閉塞性睡眠時無呼吸(OSA)では神経認知機能の障害を通常伴うが特異的な脳の構造変化と関連付けされていなかった. OSAでの神経認知機能障害と関連する脳構造異常および治療後のそれらの変化を神経精神テストとVoxel-Based Morphometryを合わせて調べた. 未治療OSA17例と年齢を適合させた健常コントロール群15例全例に睡眠検査, 認知機能テストおよびMRIを行った. CPAP治療後3ヵ月目に治療効果を評価するために認知機能およびMRIを行った. 未治療のOSAの神経精神テストの結果, 心的状態, 眠気の障害とともにほとんどの認知機能に障害が認められた. これらの障害は左海馬(嗅内皮質), 左後頭頂皮質および右上前頭回の中心的な灰白質量の減少を伴っていた. 3ヵ月の治療後には, 海馬と前頭葉の灰白質量の増加と並行して記憶, 注意力および実行機能の有意な改善が認められた. OSAの認知機能および脳構造の欠損は睡眠の欠如や繰り返される夜間の低酸素血症に伴う2次的なもので堅実で完全な治療によって改善する. 今回の結果はこの障害の早期発見と治療の重要性を強調している.
Practice基礎医学・関連科学
Keywords