Abstract | 「Szymanski FM, Fllipiak KJ, Hrynkiewicz-Symanska A, et al: The high risk of obstructive sleep apnea - An independent risk factor of erectile dysfunction in ST-segment myocardial infarction patients. J Sex Med 2010 Oct 18. [Epub ahead of print]」 <要約> ST上昇型心筋梗塞患者において勃起機能障害(ED)は頻繁にあり, EDの進展には閉塞性無呼吸が独立して強く関与している. 心臓血管疾患が確立した患者には極めて高頻度に睡眠関連呼吸障害がある. 閉塞性睡眠時無呼吸(OSA)には高血圧, 虚血性心疾患, 不整脈および勃起機能障害(ED)などのいくつかの心血管病変を伴う. この前向き研究はOSAリスクの高いST上昇型心筋梗塞(STEMI)患者におけるEDの有病率を調査することとEDの危険性を増す主たる因子を評価することを目的とした. 連続90例の男性STEMI患者を前向きに調査した. OSAの可能性はベルリン質問票(BQ)とEpworthの眠気スケール(ESS)を用いて評価した. 勃起機能は勃起機能の国際インデックス(IIEF)を用いて評価した. 32例(35.6%)でOSAの可能性が高かった. OSAの可能性の高い患者は入院時に有意に高い平均ESSスコア, 異常BQ, 高血圧の頻度が高く, BMIがより高かった. また有意に高いCRP値と高頻度にEDが認められた. 平均IIEFはOSAの危険性が高い患者で有意に低かった(16.2±5.4 vs. 20.5±6.4; p=0.004). ロジスティック回帰分析では, OSAはSTEMI患者のEDの強力で独立した危険因子であった(オッズ比55.71, 95% CI 3.36〜923.81; p=0.005)EDはOSAの可能性の高いSTEMI患者で高頻度に認められた. OSAの存在がEDの進展に対する強力で独立した危険因子であった. |