Japanese
Title心・血管系における炎症と再生―肝細胞増殖因子(HGF)の心・血管・腎・脂肪組織への修復作用―
Subtitle特集 心・血管系における炎症と再生
Authors谷山義明*1,*2, 東純哉*1,*2, 楽木宏実*2, 森下竜一*1
Authors(kana)
Organization*1大阪大学大学院医学系研究科・臨床遺伝子治療学, *2大阪大学大学院医学系研究科・老年・腎臓内科学
Journal循環制御
Volume32
Number2
Page76-79
Year/Month2011/8
Article報告
Publisher日本循環制御医学会
Abstract「要約」肝細胞増殖因子(HGF)は肝細胞分裂促進因子として同定され, その後様々な臓器修復作用が報告されている. 我々はHGFの機能として, (1)抗アポトーシス作用, (2)抗線維化作用, (3)血管新生作用, (4)一次造血作用, (5)抗酸化ストレス作用などを報告してきた. 今回は, HGFによる腎臓でのTGF-βとアンジオテンシンIIによる悪循環抑制による抗線維化作用が明らかとなった. また, 酸化ストレス化にHGFは内皮細胞に対して抗老化作用を伴った血管新生作用を有し, 平滑筋細胞の増殖を抑制する効果が明らかとなった. この機序としてHGFの受容体c-MetがSHIPを上皮細胞増殖因子受容体(EGFR)からトランスロケーションし, その結果EGFRがユビキチン化されEGFRのシグナルが抑制されることを解明した. 興味深いことにHGFは通常状態ではEGFRを抑制せず, EGFRが活性化した状態でのみ抑制するメカニズムを有しており生体にとって安全で重要な保護効果を持っていることが明らかとなった.
Practice基礎医学・関連科学
Keywords

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