Japanese
Title心外膜を介した肺静脈―左房間接合: 心房細動に対するカテーテルアブレーションとの関連
Subtitle文献紹介 I
Authors中村啓二郎
Authors(kana)
Organization群馬県立心臓血管センター循環器内科
Journal循環制御
Volume32
Number2
Page113-113
Year/Month2011/8
Article抄録
Publisher日本循環制御医学会
Abstract「Perez-Castellano N, Villacastin J, Salinas J, et al: Epicardial connections between the pulmonary veins and left atrium: relevance for atrial fibrillation ablation. J Cardiovasc Electrophysiol 2011; 22: 149-59. 」【要約】心房細動に対するカテーテルアブレーション治療において, アブレーション抵抗性のepicardial connectionが存在する可能性がある. 【背景】これまで同側の肺静脈間における心外膜を介した伝導"epicardial connection (以下EC)"の存在が指摘され, 近年, 肺静脈入口部から離れた心房側に付着した肺静脈―心房間のECも報告されている. 心房細動に対する肺静脈電気的隔離においてECの調査を行った. 【方法】薬剤抵抗性心房細動患者100例に対してイリゲーションカテーテルを使用して肺静脈入口部を個別に電気的隔離を行い, ECの評価を行った. 同側肺静脈間におけるECの同定は, 1本の肺静脈入口部を個別に全周性隔離後, Lasso型電極カテーテルをこの肺静脈に留置, 治療未施行のもう1本の肺静脈に電極カテーテルを留置して, 隔離を行った肺静脈から電気刺激を行い, 捕捉されたそれぞれ心房電位(A, A')と肺静脈電位(PV, PV')の興奮順序(PV-PV'-A'-A pattern)により, 隔離不十分な場合(PV-A-A'-PV' pattern)と区別した. また, 同側肺静脈への通電によって目標となる肺静脈電位(PV)が消失した場合に同側肺静脈間にECが存在すると定義とした. 一方, 肺静脈―心房間のECの同定は, 隔離した肺静脈から電気刺激を行い, 肺静脈入口部から離れた心房に最早期心房興奮が存在するような興奮のbreakthroughを認め, 同部への通電により目標となる肺静脈電位が消失して隔離された場合を肺静脈―心房間のECと定義した. 【結果】ECは心房細動患者の約20%に認め, 若年者や器質的心疾患を有する症例に多く存在していた. また, 計338本の肺静脈のうち32本(9.5%)に同側肺静脈間のECを認め, 10本(3%)に肺静脈―心房間のECを認め, ECの存在は, 心房細動の早期再発と関連していた(ECあり=29% vs なし=11%; p=0.01). 【結論】心房細動患者の20%にアブレーション抵抗性のECの存在を認め, 高い早期の再発率と関連していた. ECを有する症例への肺静脈隔離には異なる手法が必要である.
Practice基礎医学・関連科学
Keywords