Japanese
Titleインドメタシン誘導性胃潰瘍マウスにおけるレスベラトロールの潰瘍促進効果はL-アルギニンによって反転する
Subtitle文献紹介 II
Authors井尻好雄
Authors(kana)
Organization大阪薬科大学臨床薬剤学
Journal循環制御
Volume32
Number2
Page114-114
Year/Month2011/8
Article抄録
Publisher日本循環制御医学会
Abstract「Guha P, Dey A, Chatterjee A, et al: Pro-ulcer effects of resveratrol in mice with indomethacin-induced gastric ulcers are reversed by L-arginine. Br J Pharmacol 2010; 159: 726-34. 」レスベラトロールは実際に潜在的ながんの化学予防剤, 心血管ストレス放出化合物として, 前臨床試験において評価されているが, レスベラトロールによる治療は既存の胃潰瘍の治癒をひどく遅延させる. レスベラトロールによる治療は内皮性NOS(eNOS)発現を誘導することができる. 本論文では, レスベラトロールの潰瘍促進効果をeNOSを介したNO産生の調節により, 軽減できるか否か検討を行った. インドメタシン単回投与により胃潰瘍をマウスで誘発した. これらのマウスでのレスベラトロールの潰瘍促進効果における, L-アルギニンの前処理の効果について評価を行った. 潰瘍損傷スコア(DS), ミエロペルオキシダーゼ(MPO)活性, PGE2, NO産生量, COX-1およびCOX-2 mRNA測定を行った. レスベラトロールはDSとMPO活性の増加によって示されるように, インドメタシン誘発性胃潰瘍による損傷を大幅に悪化させ, 治癒を遅延させた. COX-2ではなく, COX-1のmRNAはレスベラトロール処理によって抑制され, 胃組織によるPGE2合成を減少させた. しかし, レスベラトロール処理はeNOSの遺伝子発現を誘導した. レスベラトロールの前にL-アルギニンを投与したインドメタシン誘導性潰瘍マウスは組織NO産生量と潰瘍治癒が大幅に増加および改善した. 外因性L-アルギニンはレスベラトロールによって誘発されるeNOSの発生レベルを介してNO生成を増加させ, レスベラトロールの潰瘍促進効果に対して作用を示した. L-アルギニンは, 患者におけるレスベラトロールの潰瘍促進効果に対して保護作用を示す可能性がある.
Practice基礎医学・関連科学
Keywords