Japanese
Title樹状細胞を用いたがん免疫療法におけるポリγ-グルタミン酸ナノ粒子の有用性
Subtitle文献紹介 II
Authors井尻好雄
Authors(kana)
Organization大阪薬科大学臨床薬剤学
Journal循環制御
Volume32
Number2
Page114-114
Year/Month2011/8
Article抄録
Publisher日本循環制御医学会
Abstract「Matsuo K, Ishii Y, Matsuo K, et al: The utility of poly (γ-glutamic acid) nanoparticles as antigen delivery carriers in dendritic cell-based cancer immunotherapy. Biol Pharm Bull 2010; 33: 2003-7. 」TAAs(腫瘍関連抗原)特有CTL(細胞障害性Tリンパ球)は, 細胞を悪性細胞へと進化させる主なエフェクターとなる免疫監視システムとして作用する. TAA含有樹状細胞による免疫付与は, がん治療において大きな可能性を秘めている, なぜなら樹状細胞はnaiveTリンパ球の主要活性作用によりCTLs特有抗原を誘導し細胞に強力な抗原性を与えるからである. 細胞毒性がなく, 効果的な抗原運搬方法の確立には, 樹状細胞を基本としたがんの免疫療法の有効性の向上が要求される. 著者らは様々な蛋白質に抗原を効率的に運搬することが可能なキャリアーとして生分解可能なポリγ-グルタミン酸(γ-PGA)ナノ粒子を開発した. γ-PGAナノ粒子は細胞を傷害することなく, またMHCクラスI, II分子を経由して樹状細胞へと抗原蛋白質を導くことができる. γ-PGAナノ粒子を用いて免疫付与を行ったTAA含有樹状細胞はTAA特有CTLを誘導することにより腫瘍細胞の成長を阻害した. これらの発見はγ-PGAナノ粒子は樹状細胞を用いたがんの免疫治療において抗原を運搬するキャリアーとして有用な機能を有していることを示唆している. γ-PGAナノ粒子は樹状細胞を基本としたがんの免疫治療において抗原を運搬するキャリアーとして有用な機能を有している可能性がある.
Practice基礎医学・関連科学
Keywords