Japanese
Title動脈圧反射の開ループ解析と心不全への応用
Subtitle特集 心不全における神経性呼吸循環制御機構と新たなる治療への挑戦
Authors川田徹, 李梅花, 杉町勝
Authors(kana)
Organization国立循環器病研究センター循環動態制御部
Journal循環制御
Volume32
Number3
Page139-148
Year/Month2011/12
Article報告
Publisher日本循環制御医学会
Abstract「はじめに」 動脈圧受容器反射系は血圧の恒常性を維持する上で最も重要な負帰還(ネガティブフィードバック)調節系である. 動脈圧反射は, 血圧を感知して遠心性の交感神経活動を調節する中枢弓(制御部)と, 交感神経活動に心血管系が応答し, 血圧を決定する末梢弓(被制御部)とに分けて解析できる(図1A). 生理的状態では, 動脈圧反射は閉ループ系として動作しているので, 血圧が上昇すると動脈圧反射によって交感神経活動が抑制され, 血圧が下がる. 逆に, 血圧が下がると動脈圧反射による交感神経活動の抑制がなくなり, 血圧が上昇する. したがって, 単に血圧と交感神経活動を測定するだけの観察実験では, 両者の入出力関係あるいは因果関係を明らかにすることは難しい. 急性心不全においてはポンプ失調によって血圧が低下するので, その代償機転として動脈圧反射により交感神経活動が亢進する. この交感神経活動の亢進は, 短期的には循環の維持に貢献するが, 長期的には心不全を増悪させると考えられている.
Practice基礎医学・関連科学
Keywords

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