Japanese
Title文献紹介 III
Subtitle
Authors中谷洋介
Authors(kana)
Organization群馬県立心臓血管センター循環器内科
Journal循環制御
Volume33
Number3
Page226-226
Year/Month2012/12
Article報告
Publisher日本循環制御医学会
Abstract「心房細動に対する電気的除細動後の抗不整脈薬による短期治療と長期治療の比較」Kirchhof P, Andresen D, Bosch R, et al: Short-term versus long-term antiarrhythmic drug treatment after cardioversion of atrial fibrillation (Flec-SL): a prospective, randomised, open-label, blinded endpoint assessment trial. Lancet 2012; 380: 238-46. [要約]電気的除細動後の抗不整脈薬の投与期間と心房細動再発の関係について検討した研究. [背景]心房細動による活動電位の変化は, 電気的除細動による洞調律化の2〜4週間後には正常化するため, この期間を過ぎれば抗不整脈薬は必要ない可能性がある. そこで電気的除細動後の短期間の抗不整脈薬投与と, 長期間の抗不整脈薬投与の有効性の違いについて検討した. [方法]対象は成人の持続性心房細動患者で電気的除細動を行う者. 電気的除細動後に, 抗不整脈薬を使用しない群(対照群), 4週間フレカイニド(200〜300mg/日)で治療する群(短期治療群), 6ヵ月間フレカイニドで治療する群(長期治療群)に割り付けた. プライマリーエンドポイントは持続性心房細動への移行または死亡とした. [結果]プライマリーエンドポイントは短期治療群261人のうち120人(46%), 長期治療群263人のうち103人(39%)に起こった(event free survival 48.4% vs. 56.4%, p=0.2081). 最初の4週間以内にプライマリーエンドポイントが起こらなかった患者における検討でも, 長期治療群は短期治療群よりも優れていた(ハザード比0.31, p=0.0001). しかし両群間の差は比較的小さかった. [結論]短期の抗不整脈治療は長期の抗不整脈治療よりも有効性は低いが, ほとんどの心房細動再発を抑制することができる.
Practice基礎医学・関連科学
Keywords