Abstract | 「はじめに」肺水腫の診断は, 主として胸部レントゲン写真の読影, 血液ガスや血行動態の測定それに臨床症状などの間接的な方法にもっぱら依存しているが, これまで定量的診断法を目指していくつかの方法が考案されている1). その中でも二重指示薬希釈法は測定理論が確立されており2), 比較的侵襲が少なく, しかも定量性が優れていることから臨床応用が期待されている, 1979年Lewisらにより熱-ICG二重指示薬希釈法が開発され臨床に応用されたが, 二つの指示薬の検出部位が異なるため測定誤差が生じること, 一回の測定に20-40mlの血液吸引が必要で, 感染や凝血の危険性があることなどが臨床使用上の制約因子となっていた. これに対し色素に変わりNaを血管内指示薬とする熱-Na二重指示薬希釈法3),4),5)では, 二つの指示薬希釈曲線を血管内センサーで同時に検出するので, 血液吸引の必要がなく, 指示薬が生理的なもので反復測定出来る点など実用性が高い. ここでは熱-Na二重指示薬希釈法による肺血管外水分量測定装置Lung water computer MTV-1100(日本光電)について解説する. |