Japanese
Title虚血後面灌流障害の病態
Subtitle総説
Authors上出利光, 宮嵜直樹
Authors(kana)
Organization北海道大学免疫科学研究所免疫病態部門
Journal循環制御
Volume16
Number2
Page175-179
Year/Month1995/
Article報告
Publisher日本循環制御医学会
Abstract「緒言」血流によって運搬される酸素を利用してエネルギー代謝を営んでいる細胞, 組織は血流の途絶により酸素供給が絶たれると可逆的障害を経て最終的に細胞死や不可逆的組織障害におちいる. このため早期の血流再開がのぞまれるが, 再灌流による再酸素化により組織障害が進行する場合があり, これを虚血後再灌流障害(post-ischemic reperfusion injury)と呼んで最近注目をあびている. 本稿では心筋の虚血後再灌流障害モデルを紹介しながら, 組織障害の発生機序について概説する. 「心筋における虚血後再灌流障害」急性心筋梗塞に対するPTCR(経皮的冠動脈血栓溶解術)やPTCA(経皮的冠動脈形成術)は, 現在冠血流を回復させる手段として一般的に行なわれている治療法である. しかし一定以上の虚血障害を有する状況では, 血流を回復させることによってかえって心筋の不可逆的障害を助長させてしまう. この様な現象はけっしてまれではなく, 心臓外科の領域においては心停止, 再灌流という経過を必ずたどるため, 程度の差こそあれ虚血後再灌流障害をまぬがれることはできない. 発生機序を考える上でも心筋の再灌流障害を分類しておく事が重要と思われる.
Practice基礎医学・関連科学
Keywords

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