Japanese
Titleシロリムス溶出性ステントを用いた冠動脈疾患のカテーテル治療
Subtitle薬剤紹介
Authors木村剛
Authors(kana)
Organization京都大学循環器内科
Journal循環制御
Volume26
Number1
Page83-87
Year/Month2005/3
Article報告
Publisher日本循環制御医学会
Abstract「はじめに」冠動脈疾患の経皮的カテーテル治療(PCI)が臨床導入されて, 既に25年が経過した. 操作性の悪いOn-the-wireのバルーンでスタートしたPCIであるが, その後のガイドカテーテルやバルーンカテーテルの改良, 冠動脈ステントの開発とその洗練, Thienopyridine系の抗血小板剤の導入など, いくつかのブレークスルーを経て, PCIは冠動脈疾患における血行再建療法の中心的役割を担うに至った. 解決困難な問題と考えられていた再狭窄も薬剤溶出性ステントの開発によって, 解決の方向に大きく前進しようとしている. 本稿では, 薬剤溶出性ステント, 特に, 現在日本において使用可能なSirolimus溶出性ステント(CYPHERステント)に関する, 最近の話題を紹介し, その有効性と潜在的問題点について考察し, 冠動脈疾患のカテーテル治療の今後を展望したい. シロリムスによる再狭窄抑制全身性の薬物投与による再狭窄予防の試みが悉く不成功に終わった最大の理由は薬剤の十分な局所濃度が得られていないことであり, 薬剤あるいは遺伝子の局所注入(local drug delivery)が再狭窄克服のための最も有望な方法論であろうと, 多くの研究者は考えていた. 現在のPCIの中心はステントであり, ステント再狭窄の原因は新生内膜増殖であることから, 新生内膜増殖抑制作用を有する薬剤をステントに結合させるという, ステントをベースにしたlocal drug deliveryが研究の中心となっている.
Practice基礎医学・関連科学
Keywords

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