Japanese
Title細胞内アルカリ化と血管機能
Subtitle総説
Authors若林一郎*, 諏佐真治*, 後藤薫**
Authors(kana)
Organization*山形大学医学部環境病態統御学講座環境病態医学分野, **山形大学医学部情報構造統御字講座組織細胞生物学分野
Journal循環制御
Volume26
Number2
Page135-139
Year/Month2005/6
Article報告
Publisher日本循環制御医学会
Abstract「はじめに」血液のpHは血管緊張に影響を及ぼす. アシドーシスにより血管は弛緩し, アルカローシスにより収縮する1, 2). その主なメカニズムとして, 血管平滑筋細胞の電位依存性カルシウムチャネル機能のpH依存性が報告されている3). 一方, 細胞内pHは細胞外pHの変化に影響されるが, 血管平滑筋細胞では他の平滑筋細胞や心筋細胞に比べて細胞外pH変化時の細胞内pH変化がより急速に起こる4). さらに様々なアゴニストにより細胞が刺激された際に, 形質膜のNa+-H+交換系(Na+-H+exchanger, NHE)の活性が亢進し, ナトリウムイオン流入とプロトン排出が同時に起こる結果, 細胞内pHが上昇する. 本総説では血管平滑筋および内皮における細胞内アルカリ化と血管機能との関連性について概説する. 血管平滑筋の収縮機能と細胞内pH NHEはアシドーシス時に作動する主な細胞内pH調節メカニズムとして重要であるが, NHEのアイソフォームの中でも形質膜で恒常的に発現しているNHE-1活性は, 受容体刺激時のフォスファチジルイノシトール水解反応とリンクして起こるプロテインキナーゼC活性化により上昇することが知られている5). また, 最近ではMAPK(mitogen-activated protein kinases)やRTK(receptor tyrosine kinases)がNHE-1の活性化に重要であるとの報告がある6, 7). さらに, NHE-1はカルモジュリン結合部位を有し, 細胞内カルシウムイオンの上昇によっても活性化される8).
Practice基礎医学・関連科学
Keywords

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