Japanese
Title両室ペーシングによる心臓再同期療法
Subtitle講座
Authors松田直樹
Authors(kana)
Organization東京女子医科大学循環器内科
Journal循環制御
Volume26
Number3
Page240-246
Year/Month2005/9
Article報告
Publisher日本循環制御医学会
AbstractACE阻害薬やβ遮断薬の導入により, 慢性心不全患者のQOLと予後は大きく改善したが, 今なお薬物治療に反応しない重症例が数多く存在し, その予後は極めて不良である. 最重症例には, 心臓移植の選択肢があるが, ドナーの少ない我が国では現実的な治療とは言い難い. 一方, 重症慢性心不全患者の心電図では, しばしばPQ時間の延長やQRS幅の拡大といった房室間あるいは心室内の伝導障害の所見を目にする. 前者は不適切な房室同期, 後者は心室の非協調的収縮を招き, いずれも血行動態に悪影響を及ぼすことが知られている. 近年, このような心臓同期不全を是正するためのペーシング治療が大きな注目を集めている. 本稿では, 心臓再同期療法と呼ばれるこの新たな心不全治療について解説する. 伝導障害がもたらす血行動態の不利慢性心不全患者の心電図にはしばしばQRS幅の拡大を認め, 重症例では30〜50%の例が何らかの心室内伝導障害を有している. 心室内伝導障害は, 慢性心不全の予後規定因子のひとつであり, QRS幅の拡大と患者の予後は相関する(図1)1).
Practice基礎医学・関連科学
Keywords

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