Abstract | はじめに 突然死や乳児突然死症候群(sudden infant death syndrome;SIDS)などは夜間に多いことから, 睡眠呼吸障害に伴う不整脈がその原因として重要視されてきた. しかし, 諸家の検討では, 症例数の限られた報告が多く, 睡眠時無呼吸症候群(sleep apnea syndrome;SAS)などの睡眠呼吸障害に認められた不整脈の頻度には健常者と有意差がないものから, 非常に高いものまで様々である1〜3). 睡眠呼吸障害では, 閉塞性睡眠時無呼吸症候群(obstructive SAS;OSAS)がその大半を占めるが, 循環器領域では, 心不全などにみられるチェーンストークス呼吸(Cheyne Stokes respiration;CSR)を伴う中枢性睡眠時無呼吸(central sleep apnea;CSA, 以下に両者の合併をCSA-CSRと略す)も多いのが特徴的である. OSASは無呼吸中の徐脈と呼吸再開時の頻脈を繰り返す睡眠時呼吸性洞性不整脈を生じ, さらに無呼吸中には低酸素血症および呼吸性アシドーシスなどをきたすため, 致死的不整脈との関連も指摘されている. |